戯れ言
THE ZEN WARS Episode 5 ~看読寮の掟~
ついに100日禁足のはじまり。
そして、我々新倒が最初に配属されるのが、看読寮なのである。
読んで字のごとく、見て読んで、そして書く・・・・・・・
この寮をまたの名を鐘司寮という。
鐘を司る役であり、お山の鳴らし物を鳴らす係であり、
お山の諸々の諸作業を円滑に進めるための準備係でもある。
なぜ看読寮というかというと、その諸々の仕事の内容が綴られた帳面を、
自分のノートに書き写し、それを書き終えた瞬間から、仕事に従事するからなのである。
書いたら覚えている!!!これが、看読寮の掟なのである。
例えば、古参和尚さんが何か教えてくれたとする。
その時点で、我々はできるという理論なのだ。
書いたり聞いたら、すぐできる。失敗せずにできるであろう。
というとが、大本山総持寺の掟なのだ。
東京都スキー連盟で例えるなら、指導員研修会の理論において、
市野さんの講演を受講した時点で、全日本技術選に出場する実力がある!!!!!
ということになってしまう。
もし失敗しようものなら、話を聞いていなかったということになり。
着座の時間が長くなる。
この失敗を「けちらす」と表現するのだが、
毎日毎日、何かを「けちらさない」ように細心の注意と、勉強に明け暮れるのが、
看読寮員の定めなのである。
看読寮の仕事には、いろいろあれども、
代表的なのは、鐘司(しょうす)、直堂(じきどう)、水頭(すいじゅう)、浄人(じょうにん)がある。
メインとなるのは、もちろん鐘司。鐘や太鼓、雲版、木版を鳴らす。
この鐘司にも、ランクがあり、鐘司當番、鐘司加番、鐘司非加番、鐘司非々加番と四ランクある。
ここで大事なのは、その4名が連携して、朝の坐禅から朝課、朝の飯台までを的確に鐘を鳴らす。
その後も、事あるごとに一日中、合図を出す為に、何かを鳴らしているのだ。
やはり中でも超重要なのは、當番であり、この者は坐禅の始まりから途中経過、終了ならびに、
朝課の進行案内までもおこなうのである。
叩く物も叩き方も叩く回数も叩く間隔も事細かに決められ、
丸一日、夜九時の就寝に至るまで、お山の全ての時間を合図するのだ。
これを頭と身体に叩きこみ、袂にしまってあるミニノートをチラ見しながら鐘を鳴らすのだ。
だが、このミニノート、持っても良いが、見ているところを人に見られてはならない!
見られようものなら・・・・・・・・・・・・・・・・
しかも、朝一の鐘も、本堂での鐘も打つ時は、鐘司長(ベルボス)さんが横で見ているので、
結局見ることはできない!
秘策はあるものの、鐘司という配役の中で、最も重要であり、
最も影響を及ぼし、もっともやりたくないけどやりがいのある仕事なのだ。
そんな、鐘司當番をきっちりするために、結局寝る間を惜しんで、勉強しなくてはならないのである。
なので、結局眠れないのであり、それでも鐘司當番は、三時半には起きなくてはならないのである・・・・・・
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